[他CADとのData交換(DXF)]
Last Modified: 2002/02/24
概要
動作環境
【 目 次 】
【DXFとは】
Drawing Interchange File(DXF)は、Autodesk社がAuto CAD間のバ-ジョンが異なるデータ互換変換を目的に 作られた中間ファイル形式で拡張子は「DXF」です。 各CADソフトのデ−タは、そのCAD固有のデ−タで他CADでは使用できません。 各CADソフトのデ−タを受け渡しして読み込むために、DXF等の中間ファイルがあります。 このDXFファイルを介して他CADと図面データの受け渡しが可能ですが、互換性が100%ではありません。 Auto CADのDXFファイルはASCIIのテキストファイルですので、エディタ等で内容を確認したり編集が出来ます が、データ容量が大きいという欠点もあります。 あくまでAutodesk社(民間企業)の規格です。 DXFにはスケールという概念がありません。 これはAuto CADが1/1の縮尺、つまり原寸で作図しているからです。
【 DXFファイルの構成 】
DXFファイルは、HEADERセクション・TABLEセクション・ENTITIESセクション・BLOCKSセクションの4 つの セクションで構成されています。 「HEADERセクション」には、Auto CADのシステム変数情報が記述されています。 DXFのバージョンも記述されています。 「TABLEセクション」には、Auto CADの各テーブル(線種テ−ブル・レイヤテ−ブル……)の設定情報が記述さ れています。 「ENTITIESセクション」には、Auto CADの図面データ情報が記述されています。 「BLOCKSセクション」には、Auto CADの図形データ(ブロック図形)情報が記述されています。
( DXFファイル − Auto CAD形式のDXFファイルの場合 ) DXFファイルにも色々な種類があります。 0 SECTION 2 HEADER ← HEADERセクション 9 $ACADVER ← 「HEADERセクション」に $ACADVER があればAuto CADのDXFファイルです。 1 AC1014 ← Auto CAD のDXFバ-ジョンです。(AC1014は、Auto CADのバ-ジョン R14・LT97/LT98です) ・ ・ ENDSEC ← HEADERセクションの終了 0 SECTION 2 TABLES ← TABLEセクション ・ ・ LINE ← 直線 8 _0-1_kutai ← レイヤ番号とレイヤ名(JWWの場合) 6 CONTINUOUS ← 線種名( CONTINUOUSとは実線の事です ) 62 3 ← 線色番号 10 5000 ← 開始点のX座標値 20 3000 ← 開始点のY座標値 11 11500 ← 終了点のX座標値 21 3000 ← 終了点のY座標値 0 ・ ・ EOF ← End Of File。DXFファイルをエディタ等で読み込んで、データの最後の行にEOF(End Of File)の 表記がなければ、そのデータは正常に記録されていません。 (正常に記録されるというのは、100%完全に変換されたという事ではありません) ※ 上記の線色番号は、「1」は赤色 、「2」は黄色、「3」は緑色、「4」は水色、「5」は青色、「6」は紫、「7」は黒 色(白色)です。
【 バージョン情報 】
Auto CADのバ-ジョン
DXFのバ-ジョン
AC1003
EX2
AC1006
GX3
AC1009
GX5、R12、LT2
AC1012
R13、LT95
AC1014
R14、LT97/LT98
AC1015
2000、LT2000
- Jw_cad for Windows Ver 2.30は「AC1009」ですので、R12形式のDXFファイルです。
- DOS版Jw_cadもR12形式のDXFファイルです。
【 変換Dataの事前打ち合わせ 】
〇 デ−タを受け渡しする場合は事前に、変換方法の打ち合わせをする。 ・ 読込みCADと作図して変換させるCADのDXFファイルのバ−ジョンを確認して合わす。 ・ 読込みCADと変換させるCADでJWCの読込み・保存が出来れば、そちらを使う。 ・ CADデータ変換ソフトを使う。 〇 DXFファイルのデ−タはXY座標値で記載されています。 各CADによって座標の原点が違ってきますので、用紙サイズ・縮尺・文字サイズの打ち合わせする。
【 DXF交換する図面作成の注意点 】
互換性が100%ではありませんが、DXF変換の形式を考えて、下記の注意点に気を付けて作図すると、いくらか はトラブルが解消され互換性が増すと思います。 ● DXFファイルに変換すると、ファイルサイズは大きくなります。(数倍になります) ・ ファイル容量を少しでも減らすために、寸法線等で生じる重複線は「デ−タ整理」コマンドで処理しておく。 ・ JWCの「円を出力→線に変換」に設定しても容量(Byte数)が増えます。 ● 縮尺という概念がないので、1つの図面に複数の縮尺は使用しない。 ・ (レイヤグル-プごとに縮尺を変える事は出来ませんので、全てのレイヤグル-プを同じ縮尺にしてDXF変換して 下さい) ・ デ−タの存在しないレイヤグル−プの縮尺も影響を受ける恐れがあるので注意する。 ● ファイル名は半角の英数字を用いる。記号も「−(ハイフン)」・「_(アンダーライン)」以外は使用しない。 ● レイヤ名は半角の英数字を用いる。(出来れば半角8文字) ・ AutoCAD・Mac等のCADはレイヤ名に全角文字が使用出来ない。 ・ 半角カタカナ・記号も使わない。 ● メ-トル、インチ等の長さの単位は存在しません。 ● 線色・線種は存在しますが、「太さ」という概念がないのでレイヤ、線色で使い分けて下さい。 ● 線色は、上記「【 DXFファイルの構成 】」で記載した基本7色までの方が無難です。 ● レイヤごとに線色・線種を整理しておく。 ● 角度単位は「度」です。 ● JWW固有の「埋め込み文字」・「均等割り付け」等や機種依存文字(〇囲み数字、u等)は使用しない。 ● 文字データは特に化けやすいく、うまく変換されない事が多いです。 ● DXF変換時には、補助線は消去しておく。(補助線は点線に変換される) ● 図面の範囲外にデータが存在する場合は、範囲外のデータを削除しておく。 ・ ファイルを出力時に、「不正なデータがあります」等のエラー表示が出て、プリントアウト出来ないことがある。 ● レイヤの表示状態はDXFファイルには書き出されないので、不要なレイヤは削除しDXF変換したいレイヤは 「編集可能レイヤ」にしておく。 ● JWWのように実点の概念を持っているCADは少ないので、読取り側のCADに実点の機能がない場合は、 ・ JWWメニュ−バ−の設定→基本設定→「DXF」タブで「点を円で出力する」にチェックを入れてDXFファイル に変換する。 ● スプライン・楕円・曲線は読取り側のCADによっては変換出来ない事が多々あります。 ・ CADによってはDXFファイルに変換時に「円を線に変換」の設定があれば設定しておく。 ● 寸法図形は解除しておく。 ● ブロック図形は使用せずに、単純な線データとする。
【 DXFファイル読込みの注意点 】
各CADによってDXFの対応バ−ジョンに差があります。 JWWをDXF形式で保存して、Auto CAD・他CADで読み込んでも、JWWのバ−ジョンやAuto CAD・他CADの DXFの対応バ−ジョンによって、「方言?」のようなものがあって、うまく変換できないことが多々あるようです。 また、DXFの上位バージョンのファイルを、そのまま下位のバージョンのAuto CADでは読込めません。 DXFファイルの読込みには各CADによって直線・円・文字等のデータがうまく変換できずに、一部欠落したり線色 ・ 線種等が変わってしまう問題点があります。 特にスプライン・楕円等の複雑な図形が欠落しやすいです。 DXFファイルでは文字も縮尺という概念をもっていませんので、大きさが変化したり文字化けが起こったりします。 また、Windows、UNIX、MACの漢字コ−ドの違いによる文字化けも起こります。 この場合は、エディタ等でDXFファイルを開いて文字コ−ド変換を行う必要があります。 JWWメニュ−バ−の設定→基本設定→「DXF」タブで「図面範囲を読み取る」にチェックを入れて、DXFファイル を読み込むとDXFファイルの用紙サイズに縮尺が変更されてしまいます。 また、「図面範囲を読み取る」のチェックを外すと、読込みCADと変換させるCADの原点の相違で範囲内に表示さ れない場合があります。 DXFファイルを読み込み後、読み込んだファイルの状態に応じて、 〇 図面デ−タを用紙枠内に移動させる。 〇 用紙サイズを修正する。 〇 縮尺を修正する。 〇 図面デ−タの寸法値と測定コマンドで測定した寸法値を比較して数値が合わない場合は、移動コマンドの 「倍率」で修正して図面デ−タを合わせる。 ※ 変換させるCADで異なった縮尺が存在した場合等は、正しく表示されないケ-スがあるようです。 〇 Pen番号を調整する。 〇 文字の大きさ等の修正をする。 〇 ブロック図形が含まれている時は、一度JWC形式で保存すると解除されます
〇 AJ_DXF Auto CAD <=>JW_CAD間のデータ交換用ユーティティーです。 Auto CAD2000のデータまでを扱うことができます。 N.Misumi氏の WEBページ 「作品集」よりDL出来ます。 導入方法・操作方法の解説もあります。 〇 JacConvert AJ_DXFの作者である中原勝明氏の作成したCADデータ交換支援ソフトウエアがWindows版のJacConvertとしては近々正式公 開予定です。 現時点での読込可能ファイルは JWC・JWK・DXF・DWG、保存可能ファイルが JWC・DXF です。 変換に関する細部の操作も可能にしていますので、このソフトウエアを利用し、一歩踏み込んだデータ交 換を行うことが可能です。 将来的にシュアウェアになる可能性があります。 このWEBページの「作品集」よりDL出来ます。 導入方法の解説もあります。 〇 JWX JWCファイルをAuto CADのR13仕様のDXFファイルに変換するためのソフトです。 古川氏のHP( http://www11.big.or.jp/~furukawa/jwx/index.html )よりDL出来ます。 〇 DXF下位変換ソフト Auto CAD のR12〜R14で作成されたDXFファイルを、JW_CADや下位のAuto CADで利用できるよう に変換します。 DXFファイルを一括で変換します。 株式会社 しっつ さんのHP( http://www.sitz.co.jp/ )よりDL出来ます。